繋がり、化学反応

Iwate, the Last Frontier in Tono

岩手県へ旅行で訪れたことはありますか。訪れたことのない方は「岩手」と聞いて何を思い浮かべますか。

昨年より、私たちArt the Globe Inc. (AGI)は、『Iwate, the Last Frontier/「はじまり」の最果て、岩手』プロジェクトの、マーケティグプロモーションに関わっています。

このプロジェクトは、旅行代理店、観光地域づくり法人(DMC)、東北地方のツアーオペレーターによる共創プロジェクトです。冒頭でお尋ねしたのには理由がありまして、実は私も本プロジェクトに関わるまで、仕事以外で岩手を訪れたことがなく、岩手県は、宮城県の隣、海鮮類が美味しい、東北地域など、漠然としたイメージしか持っていませんでした。

しかし、このプロジェクトに関わる今、岩手県という地域に対するイメージは一変し、私の中で移住したい地域の第一位となりました。この地域で暮らす方のお人柄、自然の脅威と対に感じる美しさ、土地で継承している文化・伝統・暮らしの知恵等、枚挙にいとまがない程に魅力的です。「遠野物語」の筆者、柳田國男がなぜ岩手県の遠野という地域にこだわったのか、不躾ながら今なら少しわかる気がします。

ある調査によれば、インバウンド市場における岩手県の認知度は残念ながら高くはないようです。もちろん、岩手への理解が私のような人ばかりではないとは思いますが、そんな人も少なくないのかもしれません。

そこに、『Iwate, the Last Frontier/「はじまり」の最果て、岩手』という共創プロジェクトが生まれました。本プロジェクトは、【東北の真の魅力(里山海を敬い、共生する精神)を表現する】ことを掲げ、適材適所のチーム構成による戦略的な企画立案と地域間の事業者連携により、岩手県における沿岸地域の訪日外客数拡大と地域主導による自立自走型観光地域づくりのモデル構築を図り、観光による地域内の経済循環と「自然や他者と共存・共生」する平和な社会の実現を目指しています。

Iwate, the Last Frontierウェブサイト (英語):https://lastfrontier.travel/

昨年12月には、私たちAGIは、メディアFAMトリップ* のコーディネートをしました。

*ファムトリップ(FAMトリップ)とは観光客の誘致促進のため、ターゲットとする国の旅行事業者やブロガー、メディアなどに現地を視察してもらうツアーのことを指します。Familiarization Trip(ファミリアライゼーション トリップ) の略で、下見招待旅行やモニターツアーとも言われています。(参考: https://japanworldlink.jp/inbound-words/fam-trip/)

今回のメディアFAMトリップでゲストとして招聘した方々、主に3名をご紹介します:

1) エバレット・ケネディ・ブラウン氏

写真家、アメリカ出身・京都在住。

幕末に来航したペリー提督の随行写真家の一族で、日本をテーマに写真を撮り続けている。京都ジャーナル寄稿編集者、文化庁長官表彰(文化発信部門)受賞者、首相官邸や経済産業省クールジャパン官民有識者会議委員、諸省庁の文化推進カウンセラーを務めるなど、その他様々エバレット氏はこれまでに文化、観光等における豊富な実績をお持ちであり、ご自身も若かりし頃に岩手県在住だったこともあって、この地域への思い入れは格別なものがある。

Photo ©️Nupur Singh

エバレット・ケネディ・ブラウン_撮影ヌプル・シン_Iwate, the Last Frontier_「はじまり」の最果て、岩手

2) ノーム・ナカムラ氏(Tokyo Lens)

YouTuber (写真家、三味線奏者)、カナダ出身・浅草在住。

三味線奏者の吉田兄弟に6年間師事、現在は三味線アーティストとしても活動しながらも、Youtuberとして日本全国様々な旅、邦楽、様々なトピックに関してvlogやドキュメンタリ動画を自らプロデュース、撮影・編集を行っている。フォロワー数16万人。日本を取り上げる他のYoutuberの多くは外国目線で「ザ・ジャパン」から連想される「ベタ」な題材を取り扱いがちだが、ノーム氏は三味線の吉田兄弟へ師事されただけに、日本文化へ造詣が深い。深淵なメッセージを含む動画も多くプロデュースされている。

Photo ©️Frame of Travel

Tokyo Lens ノーム・ナカムラ_撮影Frame of Travel_Iwate, the Last Frontier_「はじまり」の最果て、岩手

3) ヌプル・シン氏(Tokyo Weekender)

Tokyo Weekender 所属のフリーランスライターで、インドや日本の旅行・文化に関する様々な出版物に寄稿されている、インド出身・渋谷区在住。

Tokyo Weekender (TW)は日本で最も長い歴史を有する英語ライフスタイルマガジンである。1970年にコーキー・アレグザンダーによって創刊された。創刊当時は月二回発行であったが、現在は月刊誌として月一回発行となっている。各国大使館や外資系企業、ラグジュアリーホテル、空港、観光案内所にて無料で配布している。(Wikipedia) 最新イベントや話題のレストランの紹介はもちろん、旅行情報、商品レビュー、著名人インタビューから国内外の時事問題など、幅広い話題を提供。TWはハイエンドの読者をターゲットにされているフリーペーパー。

Photo ©️
Everett Kennedy Brown

ヌプル・シン(トーキョー・ウィークエンダー)_撮影エバレット・ケネディ・ブラウン_Iwate, the Last Frontier_「はじまり」の最果て、岩手

今回、このゲストの皆様と訪ねたのは八幡平、遠野、釜石、花巻です。ツアー全体に帯同するスルーガイドと、各地域のローカルガイドと2人3脚で、本番のツアー同様に、それぞれの土地の暮らしと物語を体験する時間を、共に過ごしました。各日程の終わりには、必ずゲスト、スルーガイド、ローカルガイドが集まり、全員でフィードバックセッションを行いました。ゲストは、この毎晩のセッションで、各々の専門知識や経験を駆使して、忌憚のない意見を聞かせてくださいました。内容も、日本全国を旅してきたゲストならではの目線で語られる岩手県の魅力、どのようなコミュニティ層へアプローチしていくのがより良いのか、どのようにSNSを活用するべきかなど、これからプロジェクトを進めていく上で、重要になるポイントばかりでした。

このように、バックグラウンドも専門性も異なる「人」が岩手の地を訪れ、土地 (地元) の「人」、プロジェクトに関わる「人」と出逢い、触れ合い、意見を交わすことで、生まれる熱と創発の重要性を再確認しました。こうした機会に新たな着眼点を学ぶことで、プロジェクトメンバーも視野狭窄に陥らず、自分たちの「当たり前」が、その土地の未来の姿へのヒントなのだと、気づくことができます。今回のFAMではこの点を再認識し、糸口となるヒント・励ましの言葉をあたたかい気持ちと共にゲストから受け取りました。私たちもこの新たな繋がりから生まれたものをプロジェクトの次のステージへと繋げていけるよう、また1歩ずつ前へ進んでゆきます。

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シュレスタ 良子

カバー写真 ©︎Iwate, the Last Frontier

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